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Vol.04 犬の疾病
皮膚疾患の栄養管理
皮膚疾患は動物病院に来院する疾病の中で最も多いものだそうです。
その内訳はアレルギー関連、寄生虫、細菌・真菌の感染症、腫瘍などがあります。 また内部臓器、内分泌疾患により、皮膚疾患を発症したり増悪することがあり、 皮膚病変があるときは動物を全身的に診断していく必要があります。 同様に食事中の栄養バランス、不足、食物アレルギーは、それのみで症状を呈する 場合と、皮膚疾患症状を増悪させている可能性がある場合があります。 栄養のアンバランスで、皮膚疾患を発症または悪化する時期としては、栄養素を 多く必要とする若齢、成長期および妊娠期に発症しやすくなります。 そのライフステージに合った栄養を補うようにしてあげましょう。

皮膚疾患(蛋白質・エネルギー)
蛋白質・エネルギー、特にアミノ酸は、新しい毛や皮膚の再生のために必要です。 若い時期、成長期、妊娠期、授乳期は蛋白質・エネルギーの要求量が増加し、 アンバランスが発生する可能性があります。 消化率の低い食事や消化能力の低下した動物では、適切な量、質の蛋白質を 給与しても不足による皮膚症状が現れることがあります。 蛋白質・エネルギーの不足した状態では、皮膚の角化異常、皮膚の色素脱失、 皮脂腺の異常、細菌・真菌・酵母の感染、皮膚創傷の治癒遅延、脱毛、光沢の 喪失を起こし易くなります。
アレルギー性皮膚炎の原因となるのは蛋白質です。食物に含まれる蛋白質を 取り除く事で痒みが消失する場合もあります。 ペットフードに含まれる添加物によるアレルギーも増えています。
獣医さんでアレルゲンテストをされる方もいらっしゃいますが、食べ物の種類はたくさんありますので、それを全部検査するのは無理ですね。 例えアレルゲンテストに引っ掛かってしまっても、免疫力が上がれば食べても 大丈夫になります。
同じものを食べ続けることによって、それが駄目になる場合もあります。 鶏肉のフードを食べ続けていて、鶏肉のアレルギーになってしまったりなど。いろんな種類のたんぱく質を食べさせてあげて下さい。免疫力があがれば、食べても大丈夫になる場合もありますし、ペットフードに含まれる添加物に気を付けてあげると、良くなるケースもあります。

皮膚疾患(脂肪酸)
脂肪酸のうち、動物体内で不飽和化できず食物として取り入れなければならないものを必須脂肪酸といいます。そのうちリノール酸、αリノレン酸は多くの動物に おいて必須脂肪酸です。 アラキドン酸はリノール酸から作る事ができますが、猫科の動物には合成出来ない 必須脂肪酸です。 必須脂肪酸からは、生体に必要なプロスタグランディン、トロンボキサン、ロイコ トリエンなどのエイコサノイドといわれる化合物群が生じます。このため必須脂肪 酸の欠乏症は多くの場合問題を引き起します。 皮膚疾患の発生も報告されており、落屑、剥離、皮膚弾力の喪失、角質肥厚、 脱毛、皮膚の乾燥、光沢消失、発毛の遅延、外耳炎などの症状が挙げられています。 脂肪酸の欠乏による皮膚疾患は、必須脂肪酸(リノール酸)の経口的補助により 数日内に回復します。 痒みを伴うアレルギー性皮膚疾患に、n−3脂肪酸(オメガ3脂肪酸)の利用が 応用されています。魚油に多く含まれるn−3脂肪酸からは、炎症性の少ない エイコサノイドが生産されます。このため。n−3脂肪酸を添加したり、n−6 脂肪酸に対するn−3脂肪酸の比率を上げたりする事により痒みを抑制することが 可能です。
最近良く耳にするオメガ3とオメガ6ですが、これはとても重要な脂肪酸です。 オメガ6は炎症を起こさせる作用があります。 オメガ3は炎症を抑える作用があります。 炎症を抑えるならオメガ6がいらないのでは?と思われますが、どちらも必要で このバランスが大事なんです。 最近の食生活ではオメガ6が多すぎているようで、体に炎症を持っている人や動物が増えています。アレルギーやアトピーなどがそうです。アレルギーのある場合は勿論、健康な場合にも積極的にオメガ3の脂肪酸を摂るように心がけましょう。


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