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猫の栄養と食事
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Vol.12 ペットフードの「添加物」
添加物の現状 【パート-1】 ペットだけの添加物

今回からペットフードに添加されている「添加物」についてのお話を3回に分けてお届け致します。
私たちの食べ物は数えきれないほどの添加物を入れて、保存期間や色を安定させています。 それでも3日も常温で置いておくと、「カビが生えたり」「変な臭いがしたり・・・」。 乾物でも乾燥剤や脱酸素剤と一緒にしないと湿気てしまいます。 冷蔵庫や冷凍庫に入れても賞味期限は結構早かったりします。

ペットフードは約55%が輸入品です。
また国産品であってもその原料の大部分は輸入に頼っているのですが、厚労省も特別な検疫はしていないといいます。
皆さんは、ワンちゃんやネコちゃんのご飯をどのように保存していますか? 無香料や無着色と表示されたナチュラルフードが流し台の下で何週間から数ヵ月も腐らないのは何故でしょう。 「添加物とは何でしょう?」 その名前の通りで食材そのままではなく、栄養素も含め、何らかを加える、その「何らか」です。 ここでは、「着色料」「酸化防止剤」「保存料」「その他の添加物」を総称して「添加物」と考えます。

●着色料(カラメル色素、食用赤色2・3号や黄色4・5号 青色1・2号 緑色3号など)
例えば、
魚・・・皮の部分まで入れた方が栄養価が高いのですが、身と皮の混ぜ具合によってツブツブした模様のようにバラついて見えることもあります。
肉・・・その部位や個体差で作る日によって色味が変わることもあります。 また、季節に合わせてオーブンの温度を変える場合もあります。 湿度の高い日は高くなどです。 焼き加減でフードの焼き上がりの色にも影響があります。 栄養成分は色のバラつきで変わることはほとんどありません。 しかし、色の微妙な違いによって飼い主さんが戸惑うことがあるようです。 残念ながら多くのペットフードメーカーは、この飼い主さんの戸惑いをクレームとしないように、着色料で色の均一化を図ります。着色料には、化学的に合成された合成着色料(食紅など)と、自然のものから採取された天然着色料(ウコン、クチナシ、コウリャン色素など)があります。

●酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物など)
犬や猫は人間よりも高カロリーの食事が必要となるため、ペットフードにはエネルギー源として油脂成分が多く含まれています。 その油脂の酸化によって起こる、フードの劣化を防ぐ目的で使用される添加物です。 油脂は栄養成分としても重要な働きがありますが、時間がたつと酸化や劣化は避けられません。 また、ビタミン類も酸化が進むと効果が薄れてしまいます。 酸化により嗜好性が低下したり、劣化したフードが健康に悪い影響を及ぼしたりすることがないよう、流通・保存期間中の酸化をゆるやかにし、製造されたときの品質や安全性を確保するために、酸化防止剤が使用されます。 ※日本では酸化防止剤と保存料(ソルビン酸、ソルビン酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、合成トコフェロール、プロピレングリコール、ホルマリンなど)は別の添加物として分類されていますが、海外では酸化防止剤を保存料の一部として表示している場合もあります。 そして、BHA(ブチルヒドロキシアニソール)、BHT(ジブチルヒドロエキシトルエン)、エトキシキンの3つは、発ガン物質として特に危険性が高いと言われています。

●添加物
ペットフードに使われる添加物には、大きく分けると、栄養バランスを整えるための栄養添加物、フードの品質を保つための添加物、ペットの食欲を増進させる目的だったり、見栄えをよくするための添加物があります。
・甘味料(D-ソルビトール、ステビア抽出物など)
・増粘安定剤(カラギナン、グァーガム、増粘多糖類など)
・発色剤(亜硫酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、ナトリウム、硝酸カリウムなど)
・イーストフード ・かんすい ・苦味料 ・酵素(α-アミラーゼなど)
・光沢料
・香料
・酸味料(クエン酸、コハク酸など)
・調味料(L-グルタミン酸ナトリウム、5'-イノシン酸二ナトリウムなど)
・凝固剤、乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル、レシチンなど)
・ph調整剤(DL-リンゴ酸、乳酸ナトリウムなど) ・膨張剤(炭酸水素ナトリウムなど) ・ビタミン類(L-アスコルビン酸:ビタミンC、ビタミンE、ビタミンB1など)
・ミネラル類(リン酸カルシウム、硫酸第一鉄など) ・アミノ酸類(タウリン、DL-メチオニンなど)
・防カビ剤
・製造溶剤など

いかがですか? 少し難しい名前もありますが、馴染みの名前も多いはずです。
何故かというと、スーパーなどで人間のお菓子や総菜、冷凍食品などの原材料にも使われているものもあります。 でも、これだけ書いてもペット用となると、全部ではありません。 書くのが大変ですし、私が知らないものもまだまだ沢山あります。
上記に上げた名前の中には人間の食品では使えないものもあります。
同じ生き物なのに・・・、 同じ哺乳類なのに・・・、 人間や家畜には使っちゃいけないのにペットにはいいの?
そう、家畜には危険だから与えない・・・。 いろいろな偽装、家畜へのホルモン剤添加や抗生物質添加が問題になっているにも関わらず、実は家畜は最終的に人間の口に入るからと、結構規制が厳しい方なのです。
次回は「添加物の基準と病気のリスク」について、お伝えしたいと思います。


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